Ring Pavilion 2025 : 大阪・関西万博 ポップアップステージ 東外







photo : yasuhiro takagi
Ring Pavilion 2025 : Osaka EXPO popup stage outer east
万博とその外側の世界を反転させる建築
私は万博というものを疑っている。短期間に華々しい構築物が現れ、何事もなかったかのように消えていく。エコロジーとかサステナブルという地球の話以前に、様々な個人の思いが結晶した建築を一瞬で解体してしまうことに違和感を感じていた。だから、移築という条件を自らに課した。万博で設計しながらも、違う場所でどのように建ち現われるかをずっと考えていた。伸びやかなリングの組み合わせで大きな空間となるように、膜の鉄骨ドームとし、移築先の本設でも耐えられる強度の構造とした。基礎も鉄骨にして再利用できる。万博ではステージではあるが、移転先で用途が変わることを考え、リングの組み合わせで開口をたくさんつくり、ステージという記号を纏わないようにする。他の場所で再建築される余白をできるだけ残して設計するということが、私にとって万博で建築に向き合う時の唯一のリアリティであった。万博が産み出した「太陽のような開口」と「リング」を纏ったこの構造体が、どこかの土地に移築された時に、万博とその外側の世界がぐるりと反転し、この建築は万博からやってきた建築だよ、と語られる日が来ることを願っている。
Location :Osaka Japan
Principle use : stage
Design : Motosuke Mandai / Masashi Itaya / Tadahiro Machida (Mandai Architects)
Structure Engineering : Jun Sato Structural Engineers
Facility design : C.H.C. system
Landscape design : Parsley
Client : Japan Association for the 2025 World Exposition
Construction : Okabe
Floor area : 121 sq.m
Site area : 405 sq.m
Structure : Steel
Completion : 2025.1
