AWT bar / lounge

AWT bar / lounge

一枚の薄い鉄板から洞窟を建ち上げる。

出来るだけ簡単に少ない要素で、多様な空間をつくりだすことを考えた。短期間で幻のように現れては消えていく空間。そして既存の空間にただ置くだけで成立するような構造にすることで、会期終了後の移設に対応できるようにしている。

ART WEEK TOKYOという短期間のアートイベントのための、ラウンジ兼バーの設計である。会場は南青山の袋小路の奥にある隠れたビルの一階のスペース。道を進んだ先に秘密の洞窟があるような空間をつくりだした。

まず、紙を手で丸めて、人が包まれるような空間をつくるところからスタディを始めた。するとその丸めた紙が形によって自立するものとそうでないものがあることに気づく。粘土をこねるようにスタディを重ね、いくつもの形を生み出し、設置場所に合わせて形を選び取った。一枚の紙には表と裏があるので仕上げは表と裏で変え、生み出された形の内側と外側どちらにも空間が生まれるように配置していった。

この立体は実際には鉄板の構造体である。鉄板を厚くすればどんな形でも成立するが、紙のような薄さが大事であったので、6mmの鉄板で構造的に成立する形を探し出すことにした。構造設計者と相談してアナログな方法であるが鉄板で1/20の構造スケール模型を作り自重や外力を考慮して構造的に成立する形にした。最終的には模型を高性能な3Dスキャンして3次元データ化して、造船技術を使って曲面の鉄骨構造体としている。紙から生まれた模型は可展面なので、鉄板を曲げるだけで簡単につくることができるのである。工場で溶接と塗装を行い、現場には置くだけなので工事は一日で終わることになる。

紙のような軽やかさと自然の洞窟のような親密さを持った自立する構造体としての建築である。

AWT bar / lounge

Location :Tokyo Japan
Principle use : bar / lounge
Design : Motosuke Mandai / Satoki Tamura(Mandai Architects)
Structure Engineering : Kenichi Inoue Structural Engineers
Construction : Takahashi kogyo Co.,LTD. / SQUARE-factory
Floor area : 113.5 sq.m
Structure : Steel plate
Completion : 2022.10